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世の中安穏なれ

2021/10/06
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世のなか安穏なれ 

この言葉は、親鸞聖人のお手紙に書き残されている言葉です。

これは文章の切り取りなので、興味がある方は検索していただければ、全文を読むことができます。

お互いが「安らか」で「穏やか」な生活を送れる事を大切にする、そんな日々を送りましょうと訳しても良いと思います。

仏法ひろまれば、安らかで穏やかな生活の基礎になるのが、仏法(お念仏の教え)だと教えてくださっているのだと読んでおります。

私は真宗大谷派の僧侶ですので、滝に打たれる等、身体を酷使する修行を行った事は一度もなく、瞑想の様な事の体験はありますが、宗派として瞑想を行った事はありません。

親鸞聖人の教えは、阿弥陀様との関係性や向き合い方を通して、自らを見直す事を大切にしている傾向が強いので、どちらかというと宗教というよりも、哲学に近いのかもしれません。

ただし、宗教も哲学もリベラルアーツと言われ、正解は無く、自らが導き出す事を大切にする部門に属しますが、似て非なるものだと思います。

安らかという言葉には、安心という意味も付いており、常に手足を伸ばせる状態、ゴロゴロできる状態だと考えています。

人の安心は、不安を無くす事から生まれると思います。

不安とは何か攻撃を仕掛けてくる、敵の存在が常に心の中にあり、アドラー心理学では原因論と目的論という行動説明の解説で詳しく書かれています。

また人は、不安な状態を原因にして、何らかの言い訳を行います。

嫌われる勇気の中では背が低いとか赤面症という、自分がその場所から逃げ出す理由を自分に探して、言い訳をしているに過ぎないとあります。

目的論では、人は常に何らかの目的をもって行動するとあり、カフェでコーヒーをこぼした店員に対する態度を、こぼした店員が自分好みの異性であればどうするとか、会社の上司であればとか、選択肢を用いて描かれています。

人の不安には、心理学で何とかなる、思い込みの部分もかなりあると思います。

しかし、現実には犯罪被害を受けた方の場合、思い込みで済まない事も出てきます。

もし、あなたが携帯電話などから情報を盗まれたとしたら、いかがでしょうか。

私自身は男性なので、銀行やクレジット会社に連絡をして、後は放って置けで済みますが、女性の場合それで済むとは考えにくいです。

状況によっては極度の不安から、日常生活が困難になり、転職や引っ越しを考えなくてはならなくなる可能性大袈裟ではなく、十分にあります。

更に、実家や親戚等までもが相手にばれて嫌がらせ等の標的にされれば、周りの迷惑を考え頼るところを失い、恐怖は際限なく広がり、絶望すら生まれてくるかもしれません。

親鸞聖人のお言葉を使えば「世のなか安穏なれ」といえども「安穏」を犯罪等で壊された人の場合、どうしようもない事も出てくると思います。

「世のなか」の意味は自分を中心とした世界観であり、他所事や他人事の安穏ではないと思います。

だからこそ、安穏を大切にする教えとして、真宗の教えがあるのだと考えています。

コロナ騒動も少しずつ収まりだしてきました。

誰が餓鬼畜生になってもおかしくない事を改めて教えられました。

世のなか安穏なれ 仏法ひろまれです。

仏法がひろがる世界と、安穏な生活は切っても切れない密接な関係です。

改めて、この事を大切にする教えを見直し、次の世代にきちんと伝える事が、真宗門徒のお勤めだと思いました。

 

 

合掌