侵攻の先 桃太郎の危うさ
権利と自由
日本に住む私達に、はたくさんの権利があります。
法治国家の日本には憲法があり、権利は保障をされています。
しかし、難しい事に権利は、それを施行するかしないかの自由も、本人に与えられているのです。
①自由
日本で暮らす人には、自由という権利が与えられています。
これには大きく分けて三種類あり、精神的な自由・経済的な自由・身体的な自由とあります。
②精神的な自由
精神的な自由とは、宗教の自由や思想の自由、学問の自由などがふくまれます。
つまり宗教の自由が認められているので、イスラム教、キリスト教、神道、仏教など全ての宗教に対して、信仰の自由が保障されています。
③自由の悪用
憲法の信仰の自由を悪用したのが、オウム真理教の事件です。
また、思想や行動の自由の憲法と法律の隙間を悪用して嫌がらせ行為をする人もいます。
警察24時で撮影協力をしている、反社会的勢力と呼ばれている人達や、暴走族などは捕まると直ぐに痛がり始めます。
それは身体的な自由を利用しているのです。
世の中には、世の中を良くしようと、精一杯努力する人が多くいます。
片や、決め事の歪みや隙を突き、自分の権利だけを主張し、他人の権利を踏みにじる事を平気でする人も一定量いるのです。
④唯除五逆
仏説無量寿経の十八願の最後には、唯除五逆 誹謗正法とあります。
これは、自分都合な自由を金看板に上げ、他人の自由を踏みにじるような事をしてはいけないと、読み解く事ができます。
第十八願に書かれているように、私達は自分が正しければ、何をしても良いわけではありません。
もしそれを認めるのであれば、ウクライナを侵攻して、戦争をひきおこしているロシアは正しい行為をしている事になります。
相手にも相手の立場で、正しさがある事を忘れてはいけないのです。
ロシアにはロシアの、ウクライナにはウクライナの言い分があるのです。
⑤桃太郎の襲撃
しかし明らかに、穏やかに、今ある中で精一杯暮らす鬼ヶ島の人達に対して、自分たちの立場が苦しいからという理由だけで、言いがかりをつける事は、良い事とは思えません。
さらに鬼や悪者に仕立てあげ、鬼退治の名の下に、強奪作戦を実行する桃太郎の姿勢は、いかなる肩書を持っていても、素直に褒める事はできません。
何事も、因果因縁ですので、因があるとは思いますが、因の正確な所在地は、侵した人と侵された人にしかわからないのです。
これは、他人には理解は難しい事だと思います。
⑥報復
桃太郎も同じです。
桃太郎の住む村の人達も、桃太郎が鬼ヶ島の住人全員を殺していないのであれば、桃太郎が行った強奪や殺戮行為以上の報復が、これから先に待ち受けている事は、覚悟をするべきです。
⑦明石源内定明
歴史に照らすと、明石源内定明は桃太郎です。
鬼ヶ島の住人の一人が勢至丸、後の法然上人です。
屋敷に押し入られて、仲間や親族を殺され、さんざんにひどい事をされたのが法然上人です。
そsて、桃太郎への復讐をする気満々の子鬼(勢至丸)を抑えたのが、瀕死の漆間時国(お父様)だったそうです。
今回の侵攻に際して、現代の漆間時国が現れるかは、私には分かりません。
⑧自分に向ける
自分に都合のいい権利をだけを言い、相手の生活を壊す事に正義が有るとは思えません。
念仏の教えは、何事も他人ではなく、自分に向けるものだと理解しています。
なので、念仏の教えの中には、外に向けてしまう正義を持つ自己都合の自分と、いかに向き合う勇気を持つ事ができるかを問われているのかもしれません。
⑨まとめ ブーメラン
当然のことですが、侵した相手が全員、漆間時国の様な人格者とは限りません。
いつ、侵した自分に、報いのブーメランが返って来るかは分からないのです。
穏やかに暮らす秘訣は、どこまでも自分との向き合いにあるのかもしれません。