国豊民安 兵戈無用 正義は貧しさを生む
国豊民安 兵戈無用
寒いと首をすくめていた日々が、いつの間にか過去の出来事となりだしています。
①戦争は無駄
ロシアがウクライナに侵攻をして、早いもので3週間以上が過ぎました。
相変わらず、無駄に多くの命を落としあう事だけが、続けられています。
②賢者は歴史に学ぶ
②古の教えの一つに、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉があります。
人は、どれだけ多くの血を流しても、そこに自分の血が無ければ学べない、愚かな生き物なのかもしれません。
③自分らしく生きる応援
「国豊民安。兵戈無用。」という言葉が浄土三部経のひとつ、仏説無量寿経にはあります。
浄土三部経は法然上人が選ばれた、自分らしく生きる事を応援してくれる経文と私は理解し、読んでいます。
お経の中には「国」という文字が時々書かれています。 この国の定義をどう考えるかで、お経の意味は大きく変わります。
④国とは
私の考える国とは、一人一人の世界観であり、私が見える総てであり、私が中心となり変化する不安定なもの、だと考えています。
なので、学生時代に地理の授業で学んだ、地図に記されているような、固定された国とは、意味が違います。
⑤豊とは
この事を踏まえてこの漢字前半を意訳すると、「自分が豊であれば、みんなが安心してここに居られる」と訳せます。
大切なことですが、豊とはお金がたくさんあるとか、資産家であるという意味ではありません。
⑥不揃い
豊とは字のごとく、曲がった不揃いの豆の集まりを表しています。
つまり、不揃いを認め合う世界を持つ事が豊かだと考えます。
物であれば、不揃いですが、人であれば個性的と考えるのが、妥当かもしれません。
豆もそうですが、人も似ている人はいますが、同じ人はいません。
同じ人がいないという事は、みんなそれぞれに、個性があると言う事になります。
その個性を認め合う世界を持つ事が、豊かだと私は考えています。
⑦絡んだ塊
当然のことですが、人間であれば喜怒哀楽等の感情があるので、時には腹の立つ事もあります。
本来であれば、腹が立つ事は自分の都合によるものでしかありません。
そして、自分以外の存在を認める事とは別の問題なのです。
しかし、感情が複雑に絡みあう事で、別々の問題が一つになり、大きく見えてしまいます。
結果的に人は、短絡的な判断をしてしまいます。
⑧非正義の勇気
自分以外の存在を認める世界に身を置く事は、正義を持たない勇気や智慧が必要です。
この事は、非常に難しい事ですが、持たなければいけないと考えます。
⑨小さなこと
争い事の始まりは、自分と他人の考え方の衝突です。
大方は些細な、いさかいです。
当然の事ですが、それぞれに自分が正しいと考えます。
私が正しいという姿を、正義と言います。
そこにあるのは、相手の都合などは一切関係無く、自分の正しさしかない狭い世界です。
⑩貧しくなる
つまり、正義を持つという事は、異なる他を排除する、狭い世界を作り上げる事と同じになります。
これは、豊かさを削る行為でしかありません。
豊かさが削られれば、少しずつ貧しくなります。
貧しさの中に身を置けば、安らぎは無くなり、不安や妬みが止まることなく生まれます。
貧しい人には、楽しさもなく、人が寄り付かなくなるので、坂道を転がり落ちる様に、更に貧しさが加速して行くだけです。
⑪楽ではない
豊かに生きるということは、決して容易でも楽でもありません。
正義を持つ事の何倍も大変だと思います。
それでも、人には智慧があります。
少し前に活躍したサッカー選手に本田圭佑という方が見えます。
まとめ 伸びしろ
彼の言葉で「伸びしろ」という言葉が有名です。
人には無限の伸びしろがあると、私も思います。
その伸びしろは学ぶ事でしか広げることはできないと思います。
お経を学ぶとは、何か偉くなるわけでも、清らかになるわけでもありません。
お釈迦様の生涯を学び、それぞれの伸びしろを少しずつ広げていく事が、豊かさへの近道だと思います。