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本当のインフルエンサーは念仏者

2022/05/01
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仏説阿弥陀経

私たちが読む浄土三部経の一つ、仏説阿弥陀経は我々の読み方では、三段に分かれております。

下記の漢文は、三段目の全文になります。

①仏説阿弥陀経

②不足している

③伝えにくい

④歎異抄

⑤悲しみ

⑥具体化

⑦後悔が大切

まとめ 本物のインフルエンサーは念仏者と同じ

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①仏説阿弥陀経

① 舍利弗。如我今者。称讃諸仏。不可思議功徳。彼諸仏等。亦称説我。不可思議功徳。而作是言。釋迦牟尼仏。能為甚難。希有之事。能於娑婆国土。五濁悪世。劫濁。見濁。煩惱濁。衆生濁。命濁中。得阿耨多羅。三藐三菩提。為諸衆生。説是一切世間。難信之法。舍利弗。当知我於。五濁悪世。行此難事。得阿耨多羅。三藐三菩提。為一切世間。説此難信之法。是為甚難。仏説此経已。舍利弗。及諸比丘 一切世間 天人阿修羅等。聞仏所説 歓喜信受 作礼而去。

何が書いてあるのか気になると思います。

ただ、漢文なので最後に行う意訳の部分は、訳す方がそれぞれ、好きに訳せば良いと思います。

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②不足している

私は、意訳する際に親鸞聖人の書き遺された「教行信証」の仏説阿弥陀経の扱い方を、意訳のヒントだと思い訳しています。

教行信証の中で仏説阿弥陀経の事を「不定聚」と表現しています。

ちなみに、仏説無量寿経は「正定聚」仏説観無量寿経は「邪定聚」と表現されています。

定聚とは定まるところという意味なので、心の置き場所とか、生き様と考えています。

つまり、「何か」が不足している、足りない状態に気が付かない。

そんな生き様の書かれているお経と訳しても、問題はないと思います。

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③伝えにくい

ただ、「何かの何」を具体的に表現する事は、とても難しい事です。

漢文に下線が引かれている句がありますが、この句の中には、「難」という字が含まれています。

今、この奇跡的で素晴らしい世界に身がある事実を、説明する事も、信じてもらう事も、素晴らしいという生き方を送る事も、全部が難しいと書かれています。

「なぜ戦争は伝わりやすく 平和は伝わりにくいのか」というコミュニケーションを説明する本があります。

この本では、「伝わりにくい平和」とありますが、私には平和が阿弥陀の世界の様に感じます。

仏説阿弥陀経の内容は、一人一人が自分らしく生きる事が大切だと、教えてくれます。

SMAPの歌っていた「世界に一つだけの花」はこのお経が基になっています。

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④歎異抄

私たちは阿弥陀の世界で命をもらい、その延長線で今をもらっています。

しかし現実には、阿弥陀の世界に身を置きながら、人間の世界で生活しています。

人間の世界とは、歎異抄の四章では、聖道と表現されています。

聖道とは、人間が中心となり、都合に基準を置いた世界で、いろいろな努力をし、模索する生き方です。

人の都合が基準なので、歎異抄の中でも限界があると書かれています。

片や、浄土の世界は阿弥陀の世界です。

浄土とは、命の世界であり、常に仏性(気づき)の中にある生き方です。

自分がどうにかして、何とかする世界ではありません。

簡単に表現すれば、お天気の操作みたいなものです。

つまり私ではどうしようもできない世界が、基準になります。

説明のできない命の世界を、自分らしく生きる事なので、「思うがごとく」と表現されており、限界はありません。

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⑤悲しみ

仏教には大悲という言葉があります。

いろいろな捉え方があるようですが、私は悲しみが気付き、即ち仏性だと考えています。

養老孟司さんのお話の中で、脳科学者の立場で、悲しみは気づきというお話をなされています。

お葬式や卒業式等、お別れの場面では悲しみに包まれて涙が溢れます。

それは、具体的には表現の難しい、ありきたりで退屈で、何かキラキラする物事ばかりを欲しがる日常しかなかったはずなのに、これまでの日常の中には、当り前という感覚で見えなくなっていた、説明の難しい宝物が存在していた事に気が付いたからだと思います。

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⑥具体化

人は日常という抽象的な時間が終わる時に、具体的な環境変化がおこります。

そして、環境変化により、悲しみという感情が生まれる事により、始めて、これまでの日常が、素晴らしく愛や慈しみに満ちた時間だったこと気が付くのだと思います。

人は、後悔の中でしか大切な宝物に気付く事ができない存在だと、仏説阿弥陀経からは読み取る事も出来ます。

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⑦後悔が大切

後悔が悪いのではなく、後悔という感情を無駄にせず、大切にしましょうというのが、お念仏の教えであり、浄土の暮らしだと思います。

我々の宗門には、「これまでがこれからを決めるのではなく、これからがこれまでを決める」という言葉があります。

後悔が未来を決めるのではなく、後悔を活用する前向きな生き方が大切だと思います。

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まとめ 本物のインフルエンサーは念仏者と同じ

SNSなので映される華やかな映像は、具体的な物ばかりで、羨ましくなります。

しかし、具体的な華やかさは、瞬間でしかありません。

持続的に続いている、ありきたりの今を、どうキラキラしたものにするかは、一人一人が決めれば良いと思います。

キラキラは遠くに有りて見える物。 足元にある日常のキラキラに気付ける暮らしをSNSに上げる能力がある人が、本物のインフルエンサーに成れると思います。

本物のインフルエンサーと念仏者の暮らしとは、同じだと思います。

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