まかせる
まかせる
①よきにはからえ
昔はテレビでよく時代劇をやっていました。
時代劇でよくお殿様が家来の方に対して「よきにはからえ」と言う言葉を発していました。
私たちは、阿弥陀様に対して、何か自分に対して「よきにはからえ」と言う気持ちを持ち、手を合わせると言う事があると思います。
「よきにはからえ」と言う事は、計らうと表現なので、私の都合の良いものをお願いします。
私の欲しいものだけをください。
そのように、自分の都合を押し付けている姿が、計らうと言う言葉になるのではないでしょうか。
②まかせる
真宗では親鸞聖人が阿弥陀様との関係性に対して、計らいを持つのではなくて「まかせる」を大切にしてくださいと書かれております。
任せると言う事は、何か良いことが起きますようにと、自分の都合を求める関係ではなく、阿弥陀様と共に歩んで往きますという姿勢です。
その中で阿弥陀様は、阿弥陀様のお仕事をしてください。
阿弥陀様のお勤めとは、存在に対するお働きです。
③難度海を度する大船
親鸞聖人は教行信証の総序で、私たちが今この様に居られる状態の事を、「難思の弘誓は難度海をとする大船」と表現されています。
親鸞聖人は阿弥陀様のお働きを、大きな船に乗せられていると言う表現をしており、私たちが阿弥陀様の船に乗り、常に揺られているとを表現しております。
④何もできない
つまり阿弥陀様からいただいている今の状態は、船に乗せられているわけですから、波があれば揺れますし、日差しで暑くもなれば、寒くもなる。
そして風が吹けばどこかに進み、風が止めばとどまるなど、常に私たちは色々な外的な要素の中に、私がいることを教えているのではないのでしょうか。
だからこそ私たち一人一人は、阿弥陀様に対して、この船の乗り心地を、どうにかしてくれと頼む姿が、計らいの姿であり、同時にその姿は阿弥陀様を家来の様に、自分の都合の道具として扱っている事を、教えてくださっているのではないでしょうか。
⑤相棒
阿弥陀様はあくまで生きていくための相棒であり、家来ではありません。
だからこそ、計らいを求めるのではなく、まかせる事が大切で、阿弥陀様は阿弥陀様のお勤めをしてください。
私は私のお勤めを引き受けます。
それをしっかりと分別してそれぞれの役割をしっかり全うして行くそれが阿弥陀様と共に暮らす生き方ではないのでしょうか。
⑥お届け物
阿弥陀様は常に今を届けてくださる。
私たちは常に、今を自分らしく、自由に判断することができます。
今をその時の都合で、良い事と言ったり悪い事と言ったりします。
ただその時には良い事と思った事も、悪い事と思った事も、振り返れば全てが、素敵な思い出になるのではないのでしょうか。
思い出となった時に改めて、全てが無駄ではなく素敵なこれ迄があったと、気づかせてもらえるのが、阿弥陀様のお働きだと思います。
⑦ご都合
私たちは常に自分と言う都合の、物差しと羅針盤を持って、物事を見てしまいます。
本当は善悪等どうでも良くて、どれも大切今の積み重ねなのです。 所詮善悪は都合で変わります。
まとめ 貪欲に生きる
人生はどれも棄てることは無理です。
棄てる事の無いこれまでをいただけているのですから、「はからい」により切り分けるのではなく、まかせて総てをいただく判断をした方が、お得な人生が送れると思います。
貪欲に生きていけるのが、お念仏の教えと承知しても良いと思います。