定聚
定聚(じょうじゅ)
定聚の字を日常生活において目にする事は、余程の事がなければないと思います。
定聚(ジョウジュ)と読み、私は生き方とか生き様やその様子を表現する言葉だと、承知しています。
①浄土三部経
真宗の宗祖である親鸞聖人は浄土三部経を、この定聚を用いて、仏説無量寿経を正定聚・仏説観無量寿経を邪定聚・仏説阿弥陀経を不定聚と表現されています。
仏説無量寿経を正定聚と表現されているという事は、そこにはお釈迦様の生涯から大切な何かを感じて欲しいという親鸞聖人からのメッセージがあるのだと思います。
②第十八願
親鸞聖人は第十八願の至心信楽の願を具体的にさして正定聚と表現しています。
第十八願とは 設我得仏 十方衆生 至心信楽 欲生我国 乃至十念 若不生者 不取正覚 唯除五逆 誹謗正法 と書かれています。
正直漢文に馴れないと何が書いてあるのか謎ですが、私のザックリ意訳であれば「みんな、自分らしく生きる事が成仏への道だよ。でもワガママ勝手はだめだよ。」
という感じです。
③歓喜賀慶
信楽という言葉を親鸞聖人は教行信証の中で、「歓喜賀慶の心」と表現されています。
これは、歓喜は自らの中から湧き溢れる喜びですので、生きる自信と考えます。
そして賀慶は外部環境の喜びなので、生きる安心と考えます。
つまり、「安心して自分らしく生きる事」が正定聚の解釈で、おおよそ間違いないと思います。
④引きこもり
お釈迦様の生涯を見直してみると、十四歳の頃にひきこもりになっています。
お釈迦様はどちらかと言えば、文武両道と言われていますが、武道より座学の方が好きだった様に感じます。
しかし、王様になる以上、賢いだけではなく、国のリーダーとしての勇敢さも求められる時代でしたから、お釈迦様にとっては、かなり辛かったのかもしれません。
⑤しなくてはならない事
人が社会で生活するには、できる事以外に、しなくてはならない事が生まれてきます。
私は真宗大谷派の僧侶なので、真宗の教えを勉強し、次の世代に継承する事が求められます。
ただし、継承という言葉をどの様に捉えてどの様な行動をおこすのかは、本人の自由です。 ここが大谷派の素敵なところです。
⑥気にならない
私は有難い事に、学生時代には勉強が苦手で、成績がよろしくなかったので、結果の悪い事があまり気になりません。
ユーチューブで話をする事も、この様に文を書く事に対しても、自分でも稚拙とは思いますが、その事が恥ずかしいとは思いませんし、苦にもなりません。
失敗を恐れて何もしないより、ずっと手応えがあり、紆余曲折できる面白い人生を歩んでいると考えています。
⑦好きなことで 生きていく
ユーチューブが始まったばかりの頃のキャッチフレーズは「好きなことで、生きていく」でした。
グーグルがお釈迦様の生き様に憧れを抱いたか、お釈迦様がユーチューバーの先駆者だったのかは私にはわかりません。
自分らしく生きる事、好きな事で生きるは、かなり大変な事です。お釈迦様は自分を貫く事で、辛い思いを幾度もされています。
まとめ あきらめない
それでも、最後まであきらめずに自分らしく生きる事を大切になされました。
だからこそ、仏説無量寿経の最後には、靡不歓喜と書かれているのだと思います。
勇気を持って自分らしく生き抜いたお釈迦様のお話だからこそ、「歓喜」つまり自分らしく生きる事に自信を持つ事ができ、会場の全員がお釈迦様の生き様に靡(なび)いたのではないでしょうか。