可愛くてごめん
可愛くてごめん
①可愛くてごめん
最近若い方の中で、「可愛くてごめん」という歌が流行しています。
この歌は、ハニーワークスと呼ばれる若いクリエイター集団が楽曲を作り、後からアニメが始まり、今ではアイドルや声優など多くの方が歌われています。
歌詞は総て自己肯定感が溢れる内容の歌で、聞いていて非常に面白い歌です。
②自己肯定感
この歌の始まりは、「私が私の事を愛して何が悪いの? 嫉妬でしょうか?」という歌詞から始まります。
日本人の特性としてよく言われる事に一つに、自己肯定感の低さがあります。
日本人独特の謙虚な姿と自己肯定感の低さが重なる箇所もあるとは思いますが謙虚と自己肯定感の低さは全く別物だと理解をしています。
謙虚と呼ばれる行動の基礎には自己肯定感が大切な要素として含まれていなくてはならず、それが無ければ謙虚と呼ばれる心得や作法とは大きくかけ離れた、単なる卑下慢と呼ばれる卑屈な嫌らしい姿勢でしかありません。
③お釈迦様
お釈迦様は自分の事を何よりも愛した存在です。
お釈迦様の生涯が書かれている仏説無量寿経の終わりは靡不歓喜です。
つまり、この経典の内容を聞いた人達の最後の姿は、靡(なび)く事無く力強くと表現されて閉じられています。
この靡く事なくという言葉をどの様に読み解くかで意味は変わりますが、私はお釈迦様の生涯を知る事で、自分をしっかりと持つ事が人生を送る上で大切だと学んだと読んでいます。
靡く事がない生き方を選ぶという事を意訳して読み深めれば、そこから自分を見失う事なくとか、自分の進みたい道を進むという、善く生きると呼ばれる姿が映し出されて来ます。
④自己肯定は仏教の始まり
仏教はお釈迦様から始まりました。
そこから考えれば、仏教を学ぶ上で大切な心得の一つに、自己肯定感をしっかりと持つという事もあって良いのではないかと思います。
⑤唯除五逆 誹謗正法
ここで勘違いをする方が居るかもしれませんが、仏説無量寿経に書かれている第十八願文の最後には念押しとして、唯除五逆 誹謗正法と書かれております。
この事から意識しなければならない事は、自己肯定感を持つ事、自分を愛する事とは、自分の価値観をしっかりと持つと同時に、他人に対してその価値観の同意を求める事ではない事です。
他人は一切関係なく、自分自身としっかり向き合う事だけが求められています。
⑥嫉妬
そして、自分を愛する事を大切にするという事は、同時に他の一人一人が自分を愛する事も大切にする事を認める事が求められます。
この歌でも嫉妬でしょうか?という歌詞が続いています。
人は、自分より優れた人に対して、嫉妬を持ちます。
大阪大学の研究でも、日本がなぜ世界に類を見ない不景気が続いているのかという研究で、日本人の嫉妬深さが原因として論文が書かれています。
この歌の中では「ムカついちゃうよね?ざまあw」と嫉妬している人達に対して、見下している言葉で対抗しています。
⑦善く生きる
善く生きるという姿には、この歌にもある様に、努力や自分磨きは欠かせません。
身近な誰かが、努力して自分磨きをして活き活きした姿をSNSに上げてたくさんの「いいね」を集めたり認められている姿に嫉妬する事は、人間らしい姿ですが、決して自慢できるものではありません。
そして、その姿は他人事ではありません。
大切な事ですが、努力目標として誰かを嫉妬する事は、大切な事だと私は思います。
しかし、その嫉妬心に引きずられて、誰かの足を引っ張ったとしても自分の成長になる事はありませんし、自分の記憶を汚染するだけ一つも良い事はありません。
まとめ 自分の味方は自分
この歌にある様に、「自分の味方は自分でありたい 一番大切にしてあげたい 理不尽な我慢はさせたくない “それが私”」と自分を大切にする事から良く生きるという生き方は始まると思います。
嫉妬する暇があるのであれば、努力する時間にする事で、自分を大切にする事ができますし、そこから新しい世界が広がると思います。
同じ人生です。 同じ人生であれば嫉妬して他人にムカつくよりも、他人をムカつかせるくらい嫉妬される素敵な人生を過ごす事が大切ではないかと思います。
正定聚の機 邪定聚の機