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2025/06/08
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言葉の力「摂取不捨」

①他力本願

②法然上人

③勘違いする

④教行信証

まとめ 円融至徳の嘉号

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①他力本願

私たちが大切にするお念仏の教えの根底には、「他力本願」という発想があります。 「 他力本願」とは、一般的には他人任せという無責任な考え方で用いられがちですが、実際には総ての出来事を、自分の出来事として引き受ける教えです。そのため、「他力本願」と表現される時には、自分の出来る事の総てを精一杯行い、結果も総て受け止める自責の姿勢が求められます。 言葉や文字には、人々の考え方を定める不思議な力があります。

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②法然上人

この力を最大限に活かした歴史上の人物こそが、法然上人ではないでしょうか。 法然上人は、親鸞聖人の先生として真宗門徒の中では有名です。そして歴史的には、多くの人にお念仏の教えを通して仏教を広めた人物として広く知られています。 法然上人が念仏の道場を開く以前、仏教は「貴族」と呼ばれる限られた上級国民だけのものでした。それらを破壊するキャッチコピーとして用いられたのが、仏説観無量寿経に記された「摂取不捨」の四文字だと理解しています。この言葉は絶大な力を発揮し、この四文字に惹かれ、法然上人の門下生となった人の中に、親鸞聖人もいたのだと思います。 当時、多くの人々がこの言葉により、安心や自信を獲得できたと思います。

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③勘違いする

一方で、阿弥陀様の救いを勘違いし、不法行為をしても大丈夫だと都合よく考えた人も一定数いたに違いありません。 そのため、治安維持の観点からすれば、法然上人や親鸞聖人が流罪になったことも、やむを得なかったのかもしれません。

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④教行信証

言葉は時として、大きな力を生み出すことがあります。現代でも、国民民主党の掲げる「一〇三万円の壁」は、デモ活動の大きな原動力となっています。 また、鎌倉時代に「摂取不捨」つまり、「如何なる生まれ、過去を持つ人物でも大丈夫。阿弥陀様の世界では一切問題無い!」という発想は庶民に限らず、熊谷直実公のような血生臭い経歴の持ち主にも、大きな安心と自信を与えたのではないでしょうか。 親鸞聖人が法然上人の教えを大切にする中で著されたのが『教行信証』です。

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まとめ 円融至徳の嘉号

その中ではお念仏を「円融至徳の嘉号」と表現されています。この表現は、それぞれが過ごしてきた総ての経験が大切であり、いかなる経験も何一つ無駄がない、人生の尊さを表現しています。 人の数だけ人生があります。その総ての人の生き様を全肯定しているのが、お念仏を表現する「円融至徳の嘉号」であり摂取不捨の具体的な表現だと理解しています。 誰にも言えない、知られたくない過去も含めて、総ての経験がその人に取って、かけがえのない大切な人生の一部です。 他人に自慢できる人生が「善い人生」ではありません。お釈迦様のように、自分を大切にし、自分らしく生きて、総てを引き受けることから「善い人生」が始まる事を、仏説無量寿経は教えてくれます。 私たちは、誰かと比べる人生ではなく、自分らしく生きて、人生経験の総てを大切にする摂取不捨の世界に身を置き、安心してたくさんの経験ができることを歓びとした生き方を選ぶ事も大切だと思います。